2013年2月23日土曜日

008 四次元ポケット

今わたしは、インドにいる。
プネーにいた頃けっこう憧れていたりした都市ムンバイだ。

9月からインターンシップに入り、はや半年が過ぎた。
去年の6月16日が最終投稿日になっていて、インドにいるのにこのブログを一度も書かなかったことのほうが、驚きである。
あっという間に帰国の日は迫り、日本での大学院生という身分を本気で忘れかけたことに気づき愕然としている。
研究は?就活は?そしてその前に、ここでやり残せることは?
帰国まであと2週間になって、ただじりじりしている。


この焦りと、焦ってしまうとなにもできなくなる自分にいらだちながら、ずっと感じていることがある。
自分は、からっぽなんじゃないか。

だからこそ経験を積みにインドまで来た。
勉強して自分自身の専門=武器をつくるために、ここまで来た。
大学3年の頃就活しようとして「私、武器をなにも持っていない」と思ったから、
大学院に入って、研究して、武器をつくろうと思った。
インドでビジネスインターンシップをしてみて、武器をつくろうと思った。
自分でしか使えない、武器を。

私は結果、どんな武器を持ったんだろう?

なんだかずっと、中身が入っているかわからない四次元ポケットに手を突っ込んでいる気分だ。
四次元ポケットはドラえもんの意思がきちんとしていると望んだものが出てくるらしいけど、私は自分が何を出したいのか、わかっているのだろうか?
あるいは、映画で敵に追われて逃げているときのように、あれでもないこれでもないといってヤカンだのおもちゃだの中途半端なものを出しまくって、あたりをとっちらかしていないだろうか?

なんとか、自分の4次元ポケットの中から、一つでもいいから、ひみつ道具を出したい。
それを使って、なんとか自分のドラ焼きのための、つまりは食べていけるための稼ぎを作り出さないといけない。

どんなひみつ道具を出すか、道具の設計図は、どのくらい描けているのだろう?
材料は、どのくらい持っているのだろう?
技術は、どれくらいあるのだろう?

未だにわからないままだ。

どんな状態の設計図でも、材料でも、技術でも、とにかく作ってみるしかないのかもしれない。
インドの漆喰壁ほどにぼろぼろのものでも、なんとか作って、使ってみるしか無いのかもしれない。

答えはおそらく上のとおりなのに、不安で作り出せない自分がいる。